ご注文を受けて、以前かなり苦心したモデル”Water Eye”に取り組んでます。
各工程をしっかりきっちり仕上げていけば美しくできあがるのですが、
その各工程に使うテクニックがバラエティー豊かで、ジュエリー職人としての腕が試されるようなモデルです。
↑まずは、真ん中が分厚くなるように地金をローラーで延ばします。これは「印台」と呼ばれる指輪の制作に使われるテクニックなんですよ。”Water Eye”はその応用編、とでもいいましょうか。
延ばした地金をある程度カーブがでるように曲げ、上の写真のように線を引いて、指輪の形に糸ノコで切り取りとります。 カーブ状のものを綺麗に切るのはものすごく難しく、未だにノコ刃を2本くらい折ってしまいます。
指輪の形が切り取れたら、両端をV字型の凸凹になるようにヤスリをかけ、
ロウ付けをします。このようにV字で合わせることで、溶接部分の強度がぐっと増し、
将来サイズを大きくしたい時などに簡単に大きくできます。
リングを丸くして、サイズを調整し、全体の形をヤスリで整えたら、次は石留めの準備。
埋め込み留めに見えて、実は覆輪留め。
いつもの覆輪留めと同じように、ポイントで上の写真のように石がピッタリ収まる穴を綺麗に削ります。
ヤスリで滑らかなラインになるように成形。石を留めれば完成間近!
石の周りの金属を倒したら、きめ細やかなヤスリを使って石のキワまで綺麗にしていきます。もちろん、ヤスリで石に触れてはいけません。
こうして出来上がるのが”Water Eye”。手間をかけてこその絶妙な美しさ!だと自画自賛。