金の値段がものすごい勢いで上がり続けていて、
もうすぐプラチナの値段に追いつきそうなぐらい。
プラチナは産出量がとても限られており、絶対量が少ないので高いのも納得なのですが、
金はプラチナほどレアでもないのにこの値段!
金の削りカスもプラチナなみにせっせと集めるようになっちゃいました。
それもこれも世界的な不況の影響。
金銭構造そのものへの信頼が落ちていっている反面、財産は具体的な資源として保持する方が確実だと考える傾向が強まっているようです。
さて、金の値段があがって何が辛いかというと、
金は金属の中で、赤色の銅と並んで唯一「色のついた」金属であるということ。
シルバーのジュエリーを主に作っている私ですが、
部分使いで金の差し色をするのが好きなんです。
今回紹介するのも、本体は銀で、石を留める覆輪(ふくりん)部分だけを18金で作ったリング。
構造が面白いので、制作過程を紹介しようと思います。
その1:材料を用意します。指輪の本体となる板、及び石留めの台座となる銀の輪っかと、覆輪となる金の輪っかをそれぞれ切り取る。
その2:指輪本体を丸めて溶接し、綺麗な円にする。石留めの台座はサイコロダイスで半球状に。金の覆輪部は石がピッタリ入るサイズになる様に立ち上げる。(輪っかを立ち上げる方法は、過去の記事「ロウ付け無しの輪っか」を参照してください。)
その3:金の覆輪がピッタリはまるように、銀の台座にヤスリで段差をつけます。
※師匠によると、その4を先にやってしまってからこの行程をやった方が断然ラク、とのこと。
その4:銀の石留めの台座がピッタリはまるように、指輪の本体部を台座の幅分だけ平らに削り、台座にはヤスリで凹部分を削り、ロウ付け(溶接)します。指輪本体のロウ付け部分は、石留めの台座に隠れるようにポジションづけています。ロウ付け時は、鉄線でかたく縛り、銀ロウが溶ける際動かないようにしておきます。
その5:続いて、金の覆輪部を台座にはめ、銀ロウを内側にセッティングしてロウ付け(溶接)します。
その6:隅々まで美しい形になるようヤスリをかけ、サイドに糸ノコで線を入れ、さらにヤスリで仕上げます。
その7:後は、覆輪部が石留めしやすいようにヤスリで端を均等に削って薄くし、石を留めて、磨けば完成!
1部だけが金なのですが、このように覆輪に使うと、少量でもとてもインパクトが出るのでおススメです。