留め具の改良 その2(いざ修理)

さて、1つ1つの要素を根気よく作り、組み立てていく作業のはじまりです。

強度を出すためにはめ込み式に溶接していく場面が多く、正確な調整がその都度必要となり、難易度はなかり高くなります。

受け側の箱の口のサイズを、刃がギリギリに入る大きさに調節し直す事で、留め具の質がアップします。

また、刃となる部分については、シルバー800まで純度を落とした地金を特別に用意しています(純銅を混ぜて純度を下げます)。

純度を落とすと、スターリングシルバー(シルバー925)よりも硬くてバネの力の強い金属になります。

同じサイズの土台を2つ用意。
糸のこで溝を入れます
チェーンから切り取ってしまった箱に、用意したパーツ1つを溶接
チェーンに穴を開け、このように銀線を突っ込んで溶接
上で溶接した銀線を短く切って、箱側に開けた穴にさらに押し込んで溶接
刃に使う銀板は、いつものスターリングシルバーに銅を足して別にシルバー800の地金を用意して作っています。
刃にカーブをつけます
金のパーツを用意。これは太めの丸線をそのままローラーで伸ばして小さい板にしたのでいびつな形です
金のパーツを四角く切って、箱側に段を18K金板がちょうどはまる溝をヤスリで削りだし、設置して溶接。

金板の下にできる新しい口のサイズは、刃がぎりぎり入る大きさになるように調節してあります。

スリットを入れます。
最初に作ったパーツに刃がピッタリ入る溝を削りだします
刃をはめ込んで溶接。刃のはみ出す部分の真ん中に穴をあけ、鉄線を通して固定しています。見にくいですが、刃とブロック型のパーツの間に箱の受け口に溶接した18Kの残りのパーツを挟んで(厚みが全く同じなので)、距離をはかって溶接しています。これはあくまで距離をはかるためだけに挟んでいるので、一緒に溶接してしまわないように気をつけます。
裏から見るとこうなってます。不細工になってしまった部分をピッタリ覆うパーツをスターリングシルバーで作成。これをぴたっとはめて溶接。
反対側と同様にチェーンをはめ込んで溶接。
刃を押すパーツを刃の真ん中にに溶接。箱側のスリットにピッタリ入る位置に間違いなく溶接するのがかなり難しいです!
刃を押すパーツは、爪がひっかかるように溝をいれます

ここまでくると、もう刃の部分と受け側の箱の部分がカチッといい音をはめて入ってくれるので、ついつい何度もカチカチはめて遊んでしまいます。

さらに続く!!