プラチナは採掘量が限られているのでとっても希少な金属。
しかも原鉱石のプラチナ含有量もごくわずかで、細い小さなリング1つ(約3g)を作るためには約1トンの原石が必要になるとか。
有史以来のプラチナの総生産量は、推定約4,720トンで、これは一辺が6m四方の立方体の箱に納まる程度の大きさ。トータルでも、金の約1/34しか生産されてないことになります。
なぜこの金属が高価なのかはこれで説明がつきますね。
プラチナは暗く光る白色の金属で、白金とも呼ばれるため、ホワイトゴールドと混同されがち。
密度が濃いので、同じボリュームの他の金属のジュエリーと比べるとずっしり重い。
丈夫で傷になりにくいのもこの金属の特徴のひとつです。
私が通常使用するのはプラチナ900 (90%プラチナ、残りはイリディウム)。
上の写真は1オンス(約31g)分のプラチナ900。1つのキューブが5㍉四方程度。
このような形状でプラチナ900を購入し、溶かして地金にしてから使っています。
上の写真はプラチナの地金を作る為にバーナーで溶かしているところ。
プラチナの溶解温度は1775度とかなり高い。(銀はちなみに961度、金は1064度)
高温になるとまるで太陽みたいにまぶしく光るので、サングラス(専用のもの)必須です。
上の3つの写真は解けたプラチナが徐々に冷めていく色の変化。ゆっくりと冷めていく様子が色で分かります。
一番右の写真ではもう冷えきったかのように見えますが、まだまだ相当熱いので、手で触るとひどい火傷をしてしまいます。
これをハンマーである程度叩いて平にしてから、ローラーでプラチナ板に延ばして使います。この様にしてジュエリー制作のベースとなる小さな地金ができあがるのです。
↑上の写真は溶かした地金をハンマーで叩き延ばしたところ。
上の写真はプラチナで作ったシンプルな2㍉幅の甲丸タイプの結婚指輪。
希少な金属が自分の手の中にある、と思うと、プラチナを扱う度に背筋が伸びるような緊張感と何ともいえない満足感を味わいます。