今回は、よく使う道具の1つであるタガネの話。
私が実践しているジュエリーのテクニックはヨーロッパの伝統技法なので、
彫り等に使う「タガネ」という道具も、日本で一般的に使われる彫金用のタガネとはちょっ違います。
私が愛用しているのはスイス製の刃(日本式に言うならカブ、でしょうか)。
上の写真は買ったままの状態。
このままでは扱いにくいので、グリップを別途買って自分で取り付けます。
手の中にすっぽりと収まり、しっかり握れる上の写真の左に見れるようなタイプが好きです。
刃の根っこの部分だけを赤くなるまでバーナーで熱し、
熱いうちに上の写真のようにハンマーでグリップの中にを叩き込みます。
グリップの刃が入る部分にはゴム製のセメントのような物が詰めてあるので、
熱い刃が奥までセメントを溶かしながら入り込みます。
↑切りタガネについては、買ったままの状態では刃先が大き過ぎて研ぎにくいので、
砥石をモーターで回転させたもので刃先が小さくなるように削ります。
↑刃先はこのように小さくなります。
研ぐ表面積を小さくすることで、より平らに正確に研ぐことができるのです。
切れ味が命、の切りタガネは研ぎのクオリティーがとっても大切!
切れ味がイマイチ、と思ったらすぐに研ぎます。
↑私のタガネ達。コロコロ転がってしまうので、小さいガラスのコップに緩衝材を敷いて収納しています。
左の写真の手前2つが日本式で言う切りタガネ、奥の4つは石留め用です。
切りタガネを研ぐのはこのアーカンサス研磨石で。
機械油を1っ滴垂らして刃を研ぎます。