ウッディーアレンの2011年の最新作、『ミッドナイト•イン•パリ』(Midnight in Paris)を映画館で見てきました。
なかなか良かったです。
パリとその周辺に住んでいたこともあるので、パリのいろんな街角の映像が見る度に胸がキュンっとなりました。パリって本当に何とも言えない魅力に溢れてる。
いろいろ思うところがあったのと、最近さっぱりブログ記事が書けていなかったのとで、
レビューを書いてみる事に。
あらすじ
作家志望の主人公、ギル(オーウェン・ウィルソン)と婚約者のイネズは、イネズの両親がビジネスで訪れているパリを一緒に訪れる。 ギルは1920年代のパリに憧れていて、結婚式を済ませたらパリに移り住みたいと考えるほどパリに夢中なのだけれど、イネズは大反対。 イネズが友達と踊りに行っている間、ギルは真夜中のパリの街を散歩することになり、信じられないような体験をすることに。そして毎晩ギルはイネズと時間を過ごす代わりに真夜中のパリでの冒険を好む様になります。もちろん、二人の関係は遠のいていく一方なのですが…
これからご覧になる方の為に、面白い部分は省いて紹介してみました。
さて、この映画を踏まえて考えたこと。
私は伝統的な技法でジュエリーを作るようになってからというもの、
ジュエリーに限らず、衣装、家具や調度品、絵画や彫刻、建築など、あらゆる分野において、古風なデザインを好む傾向があります。
ひと昔前は、こんなに素晴らしい物を作っていたのに、現代は殺風景で質の悪い物ばかり溢れかえっている。
そんな印象を持ってしまいます。
より安く、より多く、を追求する資本主義社会の繁栄がもたらす結果とも言えるでしょうし、情報化社会の発展により、情報のみならず、人や物資の移動がとってもスムーズで簡単になったことも関係しているかもしれません。
あらゆる現代社会の特徴をずらっと挙げてみれば、それぞれが何となく関係してくるのかもしれません。
「今」を生きる私たちにとって、「今」の不満をのべて批判するのはいとも簡単なことです。
ですが、よくよく考えてみると、何世紀をも超えて後の世代に受け継がれる美術、文学、音楽、建築といったものは、素晴らしいものであるからこそ、大切に残されて来たのです。
写真やデッサン、文章、伝承、という形でしか残っていない作品もありますが、そうまでしてでも歴史に刻む価値のある作品だったのです。
今わたし達の時代に作られているものについても、何らかしらの価値があればあるほど、後々まで残される可能性は高くなると思います。
100年、200年後に今の時代を振り返ったならば、やはり素晴らしい作品が沢山あるはず。そう信じたい。
必要な時間をたっぷりかけて、神経と魂を注いで何かを作る。
どうせ限られた人生なんですから、それぐらいしてもいいんじゃないかと思います。