せっかく精魂込めて作るジュエリーなのですから、使う石も最高クオリティのものを、
というのがオクスタットのこだわり。
ところが実は、美しい石を見つけるのは至難の業。
様々な業者が参加する大きな展示会で、数百、数千ととならぶルース(カットされた裸石)の中からたったの1つび状態の良い美しい石をみつけることができない、それぐらい大変です。
もともとのカットや磨きがひどいものは論外ですが、
せっかく綺麗にカットされ、磨かれていても、キズだらけになってしまっているものが多いのが現状です。
特に値段の安い石は、雑な扱いを受けてひどい有様になっていることがほとんど。
そんな石をルーペでのぞき見るたびに、胸がひどく傷みます。
石を選ぶ時は、可能な限り10倍のルーペでカットと磨きをチェックしてから購入するようにしますが、そんなことをする人は他にいない、と業者の人によく言われます。
「どうせジュエリーを購入するお客さんはルーペでチェックして選ぶことなんてないんだから、そこまで厳しく選ばなくてもいいんじゃないの」と言われることもあります。
ですが、美しい石は頑張って探せば存在します。
クオリティにこだわって石を加工する職人さんもいるんです。
そしてその職人さんから直接石を購入すると、石がキズだらけになっていることもありません。
以前、アメリカのダニエル•スターについては記事を書いたことがありますが、クオリティを目指して石を研磨する職人さんがケベックにもいるんです。
USファセターズギルド(USFG)という団体が毎年一度開催する、ファセティング・コンペティション(石のカットの技術を競うコンクール)というコンペティションでほぼ満点に近い成績で2番目にランクインしたPatrick DuBuc(パトリック•デュビュック)さん。
彼のカット技術には師匠のジュエリー店でも随分お世話になっていてます。
このコンクールは初級 (novice)、中級 (pre-master)、上級 (master) とグランドマスターの四つのレベルに別れており、今回Patrickは初挑戦だったので腕試しに中級で参加してみたところ、余裕で高得点がとれたそうです。マシーンに頼らず、微調整は自分の手で、というところがより高レベルのカットの秘訣だとか!
そんな彼に、ブラックスピネルのカットをお願いしてみました。
大満足な仕上がりです。
これで何を作るか今からわくわくしてしまいます。